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Kurume Eye Conference (11/10:Web開催)のご報告

更新日:2023年11月17日

11月10日に今年最後の久留米大学関連研究会であるKurume Eye Conference をWebで行いました。

今回は「遺伝子診断・治療」をテーマとして我が国のトップランナーであられる浜松医科大学の堀田喜裕先生と名古屋大学の西口幸二先生にご講演頂きました。

 2000年初頭にヒトゲノムが解明されて以来遺伝性眼疾患の原因遺伝子が次々に明らかになりました。まず堀田先生は「網膜ジストロフィの遺伝学的検査」のタイトルでご講演いただきました。先生は、1980年代から遺伝性網膜疾患に着目され、以来40年に渡り遺伝子診療に取り組まれてきました。遺伝性疾患の基礎知識に始まり、これまで経験された多くの遺伝性網膜疾患の症例提示、遺伝子検査法の進歩、日本でも保険適応となった遺伝性網膜疾患の遺伝子パネルシステムについてなど興味深いトピックの連続でした。まさに先生のライフワークをまとめられたご発表で、大変説得力のあるお話でした。

 引き続いて西口先生に「網膜遺伝子治療 機は熟した!?」のタイトルでご講演頂きました。堀田先生がお話になったように明らかになった遺伝性網膜疾患への根本的な遺伝子治療の試みがなされています。西口先生は最近保険適応となったレーバー先天盲に対するRPE65 遺伝子治療について、自験例を呈示されながら、治療の展望と弱視などの限界について述べられました。その上でレーバー先天盲に比べてより高齢で発症するRPE65遺伝子が原因となる網膜色素変性の患者への治療オプションとなりうる可能性を提案されました。さらに多因子性疾患である加齢黄斑変性に対する遺伝子治療の有効性も提示され、日本発の新しい治療法を模索されていることもお示し頂きました。

 堀田先生、西口先生、お忙しい所、先端的な大変夢のあるご講演を頂き、本当にありがとうございました。遺伝子診断と治療は眼科領域においても日常実臨床として定着しつつある事がよくわかりました。久留米大学でも先端遺伝子診療を取り入れ、最善最良の診療を目指していきたいと思います!!



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