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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

『10th Retina Today in Kurume (9/29:Web開催)のご報告』

9月29日に10回目となる Retina Today in KurumeをWebで行いました。

今回は高知大学の山城健児先生と杏林大学の平形明人先生にご講演頂きました。

 近年滲出型加齢黄斑変性の新しい病態理解がすすんでいます。山城先生には「加齢黄斑変性に対する抗VEGF治療戦略」のタイトルでお話頂きました。先生は特に遺伝子の視点からパキコロイドの概念をとりいれながら、疾患病態の再分類を示されました。遺伝子多型(体質)の概念をとりいれた大変説得力のあるお話でした。また、遺伝子に基づいた分類が20年程前に現日本大学名誉教授の湯澤美都子先生が提案された臨床分類と合致する事も示されました。

 引き続いて平形先生に「見逃しやすい糖尿病網膜症所見」のタイトルでご講演頂きました。

 ご存じのように糖尿病網膜症は失明に至りうる重要疾患です。平形先生は豊富な症例をしめされながら、一見軽症に見えながら実は重症な糖尿病網膜症について呈示されました。特に網膜内細小血管異常や、強度近視を合併し薄い後部硝子体皮質が残った症例における網膜新生血管などが重症を示すサインであり、注意して診察にあたる事の重要性を強調されました。平形先生は現在杏林大学医学部長の要職に就かれご多忙ですが、生涯にわたり患者に寄り添う臨床医としてのお姿が大変印象に残るご講演でした。

 山城先生、平形先生、お忙しい所、明日からの診断治療に直接役立つご講演を頂き、本当にありがとうございました。先生方を見習って真摯に日々患者様に向き合い、ポストコロナ時代のよりよい眼科を目指したいと思います!




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