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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

第96回筑後眼科研究会 (7/13開催)のご報告

更新日:10月1日

7月13日に第96回目となる筑後眼科研究会をリアル開催しました。今回は斜視と白内障をテーマとして開催されました

まず特別講演1では国際医療福祉大学熱海病院の後関利明先生に「その不定愁訴、実はサギングアイ症候群かも・・・」のタイトルでご講演いただきました。 

はじめに小児斜視における手術の重要性について小児をとりまく環境の中で心理面や社会に与える影響をお話しいただきました。

 

斜視は年齢層でみると小児と高齢者のニ峰性に分かれており、サギングアイ症候群は、後天性斜視の中で有病率1位です。サギングアイ症候群は眼窩周囲組織である眼窩プリーの加齢性変化により発症する斜視です。眼窩プリーの加齢性変化により外直筋が下垂する原理について3Dイメージ画像で大変わかりやすくお示しになりました。サギングアイ症候群に見られる顔貌や、体形、新バイオマーカーについて、さらにサギングアイ症候群の複視に対する手術方法、通常の斜視手術との違いについても言及され、大変充実した御講演でした。

 

引き続いて特別講演2では順天堂大学医学部附属静岡病院の太田俊彦先生に「白内障手術の温故知新」のタイトルで御講演いだきました。


白内障手術の歴史や眼内レンズの進歩過程についてお話しいただきました。高齢化社会に伴い、白内障は増加し続けています。そのため、眼内レンズの進歩により、個々の患者にあわせた眼内レンズ選びが重要になっています。今回、保険適応の眼内レンズでのメガネ依存度を減らせるものの特徴について、患者満足度アンケートの結果などを統計学的にお示しになりました。大変勉強になりました。 

また、強膜内固定術において、眼内レンズの中心固定の重要性や、硝子体出血の合併症を減らし傾斜を抑えるコツについて摂氏法とフリンジ固定を組み合わせた太田先生の最新の手術方法についても言及され、大変感銘を受ける御講演でした。

 

後関先生、太田先生、お忙しい所貴重なご講演、本当にありがとうございました。高齢化社会である今、後天性斜視や白内障は多く経験します。久留米大学眼科でも、お二人の先生から教えていただいた貴重な知見を取り入れ、早速明日からの最善最良の眼科医療を目指していきたいと思います!

(文責 繁永かれん)



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