7月1日に第8回九州DMEフォーラムを開催しました。基本Web開催でしたが、少しずつポストコロナを目指して演者の三宅先生、岩瀬先生には会場にお越し頂いての開催となりました。
まず京都大学の三宅正裕先生に「AIの実用化に向けた課題」のタイトルで教育講演をして頂きました。画像検査の多い糖尿病網膜症診断ではすでに人工知能(AI)を用いた網膜症スクリーニングがFDAに承認されており、AIの活用が大いに期待されています。三宅先生にはAIについての基礎知識を説明頂いた上で光干渉断層計(OCT)を用いたAIによる治療の予後予測や日本の眼科からの新しいAIの創出など近未来の展望と課題について大変わかりやすくお示し頂きました。
続いて秋田大学の岩瀬剛先生には「糖尿病網膜症アップデート」のタイトルで特別講演をしていただきました。糖尿病網膜症の治療戦略として内科的治療について述べられた後に、従来の光凝固と新しいパターンスキャンレーザーの眼循環動態の比較や最新の硝子体手術療法について豊富な画像を交えてお示しいただきました。その上で現在の糖尿病黄斑浮腫治療のゴールドスタンダードである抗VEGF薬治療について、多数の英文論文を引用しながら導入期投与の是非、治療レジメン、画像診断、薬剤の選択や併用療法の行い方などについてエビデンスに基づいた最新の知見をご説明頂きました。
今回も約100名の先生方にご参加いただき糖尿病網膜症治療の最新情報と近未来のよりよい網膜症診療の可能性を存分に堪能できました。
DMEフォーラムは今年で8回目ですが、昨年同様にこの一年で糖尿病網膜症の診断と内科的外科的治療戦略が止まることなく目覚ましい進歩を続けていることを再認識できました。
三宅先生、岩瀬先生、大変お忙しい所力強いご講演を頂き、ありがとうございました!
今回の先生方のご講演を参考に引き続き明日からの糖尿病網膜症診療に積極的に取り組み、来年の有意義なフォーラムにつなげていきたいと思います!
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