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前眼部外来

前眼部外来で担当している主な疾患は、感染性角膜炎、角膜移植術を必要とする角膜混濁、翼状片、ドライアイ、円錐角膜、角結膜腫瘍、春季カタル、その他です。
薬物治療には、血清点眼、シクロスポリン自家調製点眼、インターフェロン点眼など最新のものを導入しています。
手術は、角膜移植術、羊膜移植術、翼状片手術、角結膜腫瘍切除術などです。角膜移植術は、近年パーツ移植(悪い部分のみ取り替える)が盛んになってきており、当科においても、角膜の全層を取り替える全層角膜移植術だけでなく、表層角膜移植術、深層表層角膜移植術、角膜内皮移植術と各層に分けて行っています。従来の手術に加えDSEAK(Descemet’s stripping automated endothelial keratoplasty)及びDMEK(Descemet’s membrane endothelial keratoplasty)を施行しています。角膜内皮移植術を行っている大学病院は、今のところ北部九州では久留米大学だけです。

ドナー作成は、これまで手動で行うか、あらかじめカットされたものを使用していましたが、最近電動のマイクロケラトーム装置を導入しました。これにより、安定したドナー作成が可能となりました。任意の角膜切片を作成できるため、個々の症例によりマッチしたドナーを作成しています。

また、翼状片手術については、Z型切開併用結膜有茎弁移植を導入しています。

前眼部外来

久留米大学アイバンク

提供されたドナー角膜と移植を受けるレシピエントとの橋渡しを行うアイバンクとして、久留米大学アイバンクが病院内にあります。アイバンクでは通常、ドナーから角膜の提供を受ける際に、眼球をいただいてから斡旋を行っていますが、2009年に福岡県のライオンズクラブ国際協会337-A地区よりマイクロケラトロンを寄贈していただき、角膜のみの提供が可能となりました。
 

緑内障外来

緑内障は我が国における失明原因の常に上位を占めています。
最近の疫学調査では、40歳以上の5.0%が緑内障であることがわかっています。
一方、未だ治療を受けていない潜在患者が多数存在することも事実です。

緑内障外来では、緑内障の基本検査である眼圧検査、視野検査以外にも、視神経乳頭写真、視神経乳頭形状解析、網膜神経線維層の解析なども併せて行い、診療・治療に役立てています。
また必要あれば1泊入院での眼圧日内変動を行い、きめ細かい眼圧管理を行っております。

治療としてはまず眼圧を下げることで視野障害の進行を予防することが期待できますので、緑内障点眼薬、レーザー治療、手術治療を患者さん個人の緑内障の病型・病期・年齢等を考慮し選択することを心がけております。近年チューブシャントと呼ばれるインプラント手術が認可され、当院でも行っています。
診察日は月曜日の午後と火曜日の午前・午後に緑内障グループの医師が診療にあたっております。
研究は臨床研究を主体としており、緑内障の各病型に対する手術療法の成績で成果をあげています。

緑内障外来

緑内障は我が国における失明原因の常に上位を占めています。
最近の疫学調査では、40歳以上の5.0%が緑内障であることがわかっています。
一方、未だ治療を受けていない潜在患者が多数存在することも事実です。

緑内障外来では、緑内障の基本検査である眼圧検査、視野検査以外にも、視神経乳頭写真、視神経乳頭形状解析、網膜神経線維層の解析なども併せて行い、診療・治療に役立てています。
また必要あれば1泊入院での眼圧日内変動を行い、きめ細かい眼圧管理を行っております。

治療としてはまず眼圧を下げることで視野障害の進行を予防することが期待できますので、緑内障点眼薬、レーザー治療、手術治療を患者さん個人の緑内障の病型・病期・年齢等を考慮し選択することを心がけております。

数年前よりMIGS(micro-invasive glaucoma surgery)が多くの施設で積極的に導入されるようになり、当科でもスーチャートラベクロトミーとKAHOOKを用いたロトミーを行っています。症例が蓄積してきましたので、詳細な手術方法と治療成績について検討し学会報告しています。また難治性緑内障に対するAhmedバルブを用いたチューブシャント手術にも積極的に取り組んでいます。

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ぶどう膜炎外来

ぶどう膜に炎症が起きる病気を『ぶどう膜炎』といい、ぶどう膜とは、虹彩(こうさい)・毛様体(もうようたい)・脈絡膜(みゃくらくまく)の3つの眼球内の組織をまとめた呼び方です。
ぶどう膜炎の原因には種々の疾患がありますが、サルコイドーシス・べーチェット病・原田病が三大ぶどう膜炎と呼ばれています。
三大ぶどう膜炎のほかにもウイルスや細菌など感染性のもの、膠原(こうげん)病や糖尿病、悪性腫瘍などが原因となります。
このように全身の異常が原因となることがあるため、眼の検査に加えて全身検査も行い診断を確定します。必要に応じて眼内液を採取して原因微生物の検索なども行っています。しかし、様々な検査を行いぶどう膜炎の原因を調べてみても、原因が診断できるのは全体の5割程度です。
ぶどう膜炎は種々の原因で起こるため、治療方法も様々です。


年間のぶどう膜炎新患患者数は、約80~100名です。サルコイドーシス・べーチェット病・原田病以外にも、HTLV-Ⅰぶどう膜炎やトキソプラズマ症などの症例数も多く、九州の地域的な特徴といえると思います。
また、最近マルチプレックスPCRを導入しました。これにより感染性ぶどう膜炎の診断率が向上したことに加え、これまで原因不明で、再燃を繰り返していた症例の診断の一助にもなっています。また、マルチプレックスPCRはウイルス量をある程度定量することもでき、治療抵抗性の症例で効果判定に用いたり、再燃の有無を確認したりする際にも有用です。


ベーチェット病に関しては、抗TNF-α抗体治療(インフリキシマブ)治療を行っています。対象が難治性網脈絡膜炎を伴うベーチェット病ということもあり、膠原病内科と連携をとりながら点滴治療を行っています。共通の点滴用シートを作成し、外来の化学療法室を使用しています。眼炎症の沈静化のみならず、口内炎などの眼外症状や血液検査データの改善など全身状態の反応も確認でき、抗TNF-α抗体治療を有効にすすめています。

サイトメガロウイルス網膜炎に対するガンシクロビル硝子体注射や、悪性リンパ腫に対するメトトレキサート硝子体注射など、硝子体注射を施行する頻度が増加しています。全身投与と局所投与を適切に併用して治療を行っています。

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網膜硝子体外来

膜硝子体外来では糖尿病網膜症以外の網膜硝子体疾患全般を扱っています。
特に網膜剥離に関しては、診療圏内で網膜剥離を扱っている病院がほとんど無いため、数多くの患者さんが紹介されてきます。
網膜剥離に関しては緊急性が高いものもあり、必要に応じて即日入院や早期手術が可能な体制を整えています。
黄斑円孔、黄斑上膜は手術しか治療法が無く、視力や変視症(歪んで見える)などの症状、光干渉断層計(OCT)にて網膜の状態を評価した上で手術適応を判断し、手術を行っています。
網膜静脈閉塞症は黄斑浮腫を伴い視力低下や変視症をきたす比較的頻度の高い疾患です。以前は硝子体手術にて治療をしていましたが、現在では抗VEGF薬の硝子体内注射が初回治療に選択することが多くなっています。手術に比べて治療成績はほとんど変わりなく、患者さんの負担も少なく、合併症もほとんど認めないため、現在では非常に有効な治療法と考えられていますが、高額であり、 患者さんと相談しながら治療方法を決定しています。

網膜光凝固

網膜裂孔、虚血性網膜疾患の無血管野などに対して行います。

強膜バックリング手術

古くから網膜剥離の治療に用いられている術式です。
最近では硝子体手術の適応が拡大し割合は減少傾向にありますが、比較的若年の網膜剥離には絶対適応です。
当科でも10~40歳台の網膜剥離には第一選択で行っています。

硝子体手術

硝子体手術は網膜上にある出血や増殖組織などを含めて病的な硝子体を切除する手術です。
近年硝子体手術は手術機械の進歩もあり、より低侵襲に手術を行える極小切開硝子体手術(MIVS)が急速に広まっています。以前は20G(直径約1mm)の大きさの器具で硝子体手術を行っていましたが、現在は25G・27Gと、より細い器具での手術を行っております。また広い視野で観察することが出来る広角眼底観察システムを用いた手術が主流となっており、当教室では広角眼底観察システムとしてはカールツァイス社のresightを採用しています。
10年前は、高度な職人の手術といったイメージがありましたが、resightを使用することで、若い多くの術者が育っています。今後も最先端の手術機器を導入して、臨床・教育・研究を行っていきます。

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糖尿病網膜症外来

糖尿病網膜症外来では、眼科的治療の必要な糖尿病網膜症の患者さんの治療を担当しています。
糖尿病患者境界型を含めると我が国に約2210万人であり、今後も増え続けると予想されています。最近では手術機器の進歩などによって失明に至る症例は減ってきてはいるものの、当然糖尿病網膜症の患者さんも増え続けると考えられ、眼科では重要な疾患であります。
病態を把握するために、眼底検査以外にも蛍光眼底造影検査(FAG)や光干渉断層計(OCT)を適宜行い網膜症の評価を行っています。
重症化を抑えるためには適切な時期に網膜光凝固を行う必要があります。糖尿病黄斑症や牽引性網膜剥離、血管新生緑内障を合併した症例は視力の改善や維持が困難ですが、放置すると失明に至ることもあり、硝子体手術、レーザー治療、抗VEGF薬の硝子体内注射など適宜行っています。

黄斑外来

 

黄斑とは網膜の中心部のことを言い、視力に最も重要な部分です。
黄斑疾患には様々なものがありますが、黄斑外来では加齢黄斑変性をはじめとした新生血管黄斑症や、中心性漿液性脈絡網膜症などを中心に診療を行っています。

近年黄斑疾患の検査機器は飛躍的に進歩しており、それにともないその診断と治療も目覚ましく発展しています。
久留米大学黄斑外来においても蛍光眼底造影検査HRA2(Heidelberg社)とOCT Spectralis(Heidelberg社)を平行して検査し、より正確な診断行っています。加齢黄斑変性の治療は、近年新しい治療法の開発により目覚ましく進歩しています。
現在の主な治療法は抗血管新生療法と光線力学療法です。

抗血管新生療法

抗血管新生療法は、VEGF(血管内皮増殖因子)を阻害する薬剤を直接硝子体内へ注射する方法です。
日本ではルセンティス、アイリーアという2つの薬剤が認可されており、当院でも年間約4000件の硝子体注射を行っています。
硝子体注射専用の処置室があり、清潔かつ安全に外来処置を行うことが可能です。

黄斑外来は患者数が増加の一途を辿っていますが、アザレアネット導入により、今後は患者さんの治療が治療の質を落とすことなくお住まいの地域で完結できる体制を構築して参ります。

光線力学療法

光線力学療法は、新生血管内皮細胞に選択的に集積する感光色素を静脈注射した後、弱いレーザーを当てることで治療を行います。
日本でも認可されており、当院でも多くの症例に行っています。最近では中年男性に多い中心性漿液性脈絡網膜症への応用も行っており、良好な結果が得られています(当院倫理委員会承認済み)。

黄斑は視力に重要なところであるため、黄斑疾患は眼科のなかでも特に患者さんのQOLに直結する分野です。今後も新しい診断、治療の習得に邁進し少しでも患者さんの役に立てるよう努めていきたいと思います。

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神経眼科外来

「眼」はまさに「脳の状態を映し出す鏡」で、12対ある脳神経のうち実に6対の脳神経が眼の機能に深くかかわっています。そのため脳腫瘍、動脈瘤、脳梗塞、炎症などによる脳神経障害によって、眼に関わる様々な症状が現れることがあります。神経眼科外来では、眼球運動・瞳孔・眼瞼に関わる神経の疾患や視神経の疾患の診断を主に担当しています。

動眼神経麻痺、滑車神経麻痺、外転神経麻痺では、眼球運動障害および眼位異常をきたして、物がずれて二重に見えるようになります。
眼球運動・瞳孔・眼瞼の状態を評価することによって的確にこれらの脳神経麻痺を診断しています。また画像診断を含めた全身検索によってその原因を精査するとともに、その原因疾患に応じて、脳神経外科、神経内科、耳鼻咽喉科、内分泌代謝内科などと連携協力して、その治療に当たっています。

視神経は視覚情報を眼球から脳へ伝える脳神経です。
虚血、炎症、圧迫、外傷、自己免疫、遺伝、中毒など様々な原因により視神経が障害されると、視力低下や視野異常をきたします。
視神経は中枢神経であり、いったん障害されると末梢神経とは違って再生しないとされています。
原因が分らないことや診断がついても難治であることも残念ながら多いのですが、適切な治療により視力を維持もしくは回復できることもあります。
きめ細かい視神経乳頭所見の評価と画像診断を含めた全身検索により、症例毎に最も適した対応をするように心掛けています。

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外眼部外来

眼球の周囲を取り巻いている眼球付属器
・眼瞼:まぶた、睫毛、涙をつくる涙腺など
・涙道:涙小管、涙嚢、鼻涙管など涙の通り道
・眼窩:眼球、外眼筋、視神経、脂肪組織などが入っている頭蓋骨のくぼみ
の疾患が主な対象です。この部位は眼球に密接に影響するため、病気が起こると視力低下や複視、眼痛や違和感、眼球突出や斜視、ドライアイや流涙など、多彩な症状を引き起こします。
また整容面や表情にも大きく関与する大切な部位です。

交通事故や転倒による外傷や感染症などの救急疾患、腫瘍などの命に関わる悪性疾患も起こるため気が抜けません。
先天性の形態異常や加齢による病気も多く、乳児から高齢者まで幅広い年代の患者さんが来院されるのも特徴の一つです。

最近は甲状腺の病気から眼窩内に炎症が起こる甲状腺眼症に関しても、内分泌代謝内科学と協力して検査や治療に力を入れています。

手術に関しては、眼瞼下垂や内反症、腫瘍の手術は入院で行います。
涙道や、眼瞼の小腫瘤、睫毛の電気分解、外傷の処置などは、多数の症例があり、主に外来にて日帰りで行っています。 

毎週木曜日に、専門医3名で外来を行っています。 

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斜視・弱視外来

平成27年4月より久留米大学病院にて火曜日(午後)と水曜日(午前・午後)に行っております。


弱視とは視力の発達異常、斜視とは眼の位置ずれをきたす疾患です。弱視は斜視、強い遠視・近視・乱視、左右の屈折度の差が大きい場合(不同視)等が原因となります。特に小児は視力と両眼視(両目で物を見る能力)の発達段階ですので早期発見、早期治療が重要です。

患者さんの多くが子どもであり、検査や診察に非常に時間がかかり、根気がいるため専門の先生が少ない分野ですが、無いと非常に困る分野です。

そのため久留米市内だけでなく、筑後方面、筑豊方面、佐賀県、大分県、長崎県からも患者さんに来ていただいており、特殊症例として、近年は回旋斜視や他科での手術後の麻痺性斜視など幅広く対応しています。また成人の斜視は複視や眼精疲労、美容的な問題があり、それらに対しても積極的にプリズム眼鏡、斜視手術による眼位矯正を行っています。

以上に加えて、ボトックスが斜視に保険適応となり、当科でも導入しています。

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