山川良治教授の時代

平成11年2月(1999年2月)、山川良治教授が第8代教授に就任した。山川教授は、京都大学時代、南カルフォリニア大学Doheny Eye Intitute留学時代、琉球大学時代は、網膜色素上皮細胞の細胞生物学や生化学的研究を精力的に行なっていた。同時に眼科マイクロサージェリーの修得にも専念していた。その後は天理よろづ相談所病院の眼科部長として、主に緑内障・網膜硝子体疾患の診療・手術に携わった。この経歴から、久留米大学着任後は、自ら多数例の執刀を行う一方、数多くの教室員の手術指導を行い、久留米大学眼科に眼科マイクロサージェリーの新しい風を吹き込み、良き臨床科家を育てるという久留米大学の建学精神を実践した。一方、基礎研究の重要性も認識しており、山岸昌一教授(現昭和大学医学部 内科学講座糖尿病・代謝・内分泌内科学部門 主任教授)と共同で、糖尿病網膜症とAGEの研究を進めた。
 在任期間中、診療面においては、LASIKなどの屈折矯正手術、角膜移植でのパーツ移植、羊膜移植、光干渉断層計の臨床応用、小切開硝子体手術の導入、PDTや抗VEGF硝子体注射の普及など眼科学の著しい発展に呼応して、あらゆる眼科分野においてsubspcialityを持つ臨床家を数多く輩出させた。
 任期後半には、久留米大学病院副院長として病院経営に参加し、特に男女共同参画に貢献をした。また、医師国家試験委員を務め、医学教育に貢献した。第70回臨床眼科学会(2016年)では特別講演「眼科手術のリスクマネジメント」を担当し、多くの聴衆に深い感銘を与えた。
主な研究:網膜色素上皮細胞とフィブロネクチン、プロスタグランジン合成と代謝、増殖性硝子体網膜症の発症メカニズムと治療(網膜色素上皮細胞の関与)、黄斑上膜、裂孔原性網膜剥離、先天緑内障、先天白内障の発症のメカニズムおよび手術方法・成績の研究、網膜糊の開発、糖尿病網膜症とAGE、新しい緑内障手術の開発など。学位授与されたのは11名であった。