南熊太教授の時代

 廣瀬教授転任のあとを受けて昭和21年9月27日、南熊太熊本医科大学助教授が第3代の本学眼科学講座主任教授・眼科医長として活躍することとなった。南教授の時代に研究・診療・教育のための設備の充実がはかられ、昭和28年には新たに眼科研究室が二部屋増設され、外来の機能検査室と暗室の拡充、そして学生の検眼鏡実習室なども整備された。また、南教授時代の特記すべき出来事のひとつに、大変に不幸な天災である筑後川大洪水による水害があげられる。昭和28年6月25日から筑後地方を襲った豪雨により6月26日に筑後川堤防が決壊し、久留米市の大部分が水害に見舞われたが、久留米大学は筑後川のすぐそばに位置し、大学の建物は二階床下まで浸水した。幸い、眼科学教室は二階と三階にあったため濁水による直接の被害は少なかったが、それでも眼科関係の文献の大半が水浸しとなった。当時の眼科学教室は南教授を中心に、まず損失した文献の整備を行い、また、大洪水により被害を受けた大学および附属病院の再建に力を注ぐ必要があり教室員の研究も一時的な影響を受けた。
 南教授は着任以来附属病院臨床病理研究室の主任としてその充実と整理に努めた。南教授時代の教室の研究は、眼病理組織学を中心に多岐にわたるが、主なものを列挙すると以下の如くである。上原有城講師、西岡慶四郎らと共に行った屈折調節に関する研究、終戦直後に多発したメチルアルコール中毒による視神経萎縮に関する研究、実験的動脈硬化症における病理組織学的研究、甲状腺機能異常症における眼病理組織学的研究、カルピノールの毒性に関する薬理学的研究、木村一雄助教授を中心とするトラコーマパンヌスの研究などである。このような基礎的・臨床的研究の他に板付レンズの試作や周辺視力検査器および遠近知覚力測定器など各種の検査器械の試作と実用の工夫を行い検査方法の普及に努め、これらを用いて学校保健の充実にも力を注いだ。南教授は各地の学校保健学会に出席し、九州山口学校保健学会において、視力ならびに眼科的保健の問題についての特別講演をした。また南教授は昭和22年4月日本眼科学会評議員当選以来連続当選し、日本眼科医会理事・参与も務めた。南教授時代の学位取得者は3名である。
 主な研究:調節と屈折との関係に就いての研究、有明海沿岸のトラコーマの公衆衛生学的研究、眼組織糖原の病理組織学的研究、実験的動脈硬化症に於ける眼組織の病理組織学的研究、縮瞳点眼薬カルピノールの毒性に関する研究、眼科診療用器具に就いて、両眼網膜膠腫の治療に関する研究、眼瞼皮膚弛緩症に就いての研究、色盲検査表に就いての研究、聾学校生徒の眼疾患に就いての研究、学校生徒児童に於ける屈折状態特に遠視に就いての研究(試作板付レンズに就いて)などがある。

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