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望月學教授の時代

 平成2年3月に吉岡教授が定年退職した後、5月16日付で東京大学助教授の望月學が第7代の主任教授に就任した。望月教授は、就任早々に、文部省私学助成および私学振興財団からの助成を受けて教室の研究設備の整備と高額医療機器を配備し、教室の臨床と研究の一層のレベルアップをはかった。臨床面では、網膜剥離手術を長崎比呂志講師、白内障手術と硝子体手術を吉村浩一講師と堤清史助手、ぶどう膜炎を望月教授と疋田直文助教授が指導している。特にぶどう膜炎の臨床研究は世界をリードする研究成果があげられている。ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-I)が従来原因不明とされていたぶどう膜炎の一部のものの原因であることを示し、新しい疾患概念を確立した一連の疫学・臨床・免疫・分子生物学的研究、ならびに、シクロスポリンやFK506などの新しい免疫抑制剤の基礎的・臨床的研究は眼科だけでなく医学全般をカバーする国際学術誌に多数掲載され高い評価を得ている。
 望月教授の専門分野である眼の炎症と免疫に関する国際シンポジウム「第3回国際眼の炎症シンポジウム(Third International Symposium on Ocular Inflammation)」が、平成6年10月22日~25日に福岡市で開催され、望月教授以下教室員一同が担当した。400名を超す参加者があり、特に海外からも150名の眼科医と視覚研究者が出席し、学術発表と討論そして社交行事を通じて国際交流の実をあげた。望月教授が赴任してから平成7年4月末までに学位を授与されたのは4名であった。
 主な研究:ぶどう膜炎の発症機序、免疫抑制剤の基礎的・臨床的研究、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-I)とぶどう膜炎に関する研究、眼アレルギーに関する研究、網膜剥離の手術など。

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