
クリクラ実習スケジュール
【このクリニカル・クラークシップで何を学ぶか】
眼科学は視機能の重要性から100年以上前から臓器別診療として確立されている.診察・検査には特殊技能を要するためになじみにくい面があるが,直接身体に触れることが少ないので診察・検査法を積極的にマスターすることができる.眼科学のクリニカルクラークシップは,4年生時の眼科の講義内容を充分理解し復習されているものとし,眼疾患患者の実地の検査を身につけ,診断,治療を遂行してゆく能力を身につける.医療チームの一員として行動する事を学び,眼疾患患者と良好な関係を築いてゆくことを学ぶ.これにより,医師国家試験への知識の整理,対策が十分となるように心がける.
【獲得すべき能力(全体)】
1.視覚が障害されている患者,あるいはその可能性を心配する患者の気持ちを理解する
2.医学の中での眼疾患の重要性を認識する
3.眼科の主な診察,検査ができる
4.眼疾患の知識を整理し,修得する
5.眼科手術の介助ができる
6.眼疾患患者との交流ができる
【獲得すべき能力(個別)】
・基本的な眼科検査ができるようになる
・疾患に対する基本的アプローチができるようになる
I.指導医の指導,監督の元に自らおこなう検査・処置(水準ⅠおよびⅡ)
-1.から8.まではコアカリキュラムに準じ必修とする、9.から17.は可能なもの-
1.視力検査
2.視野検査
3.瞳孔検査
4.眼球運動検査
5.細隙灯顕微鏡検査(眼瞼・結膜・角膜・水晶体の診察)
6.眼底検査(直像鏡または倒像鏡)
7.手術器械のセッティング・手術介助
8.カルテの記載(サインして指導医のチェックをうける)
9.屈折検査
10.調節検査
11.色覚検査
12.電気生理学的検査
13.両眼視機能検査
14.眼圧検査(非接触型)
15.超音波検査
16.角膜検査(角膜形状解析・角膜内皮)
17.眼底検査(単眼および双眼倒像鏡・前置レンズ)
18.前眼部撮影・眼底撮影・光学的干渉断層検査(OCT)検査
Ⅱ.原則として指導医の実施の介助または見学にとどめる検査・処置(水準Ⅲ)
-眼球に直接触れる検査および治療、必修ではない-
1.前房隅角検査
2.眼圧検査(接触型)
3.眼底検査(細隙灯顕微鏡とスリーミラー)
4.細菌学的検査
5.角膜検査(角膜知覚)
6.コンタクトレンズの着脱
7. 蛍光眼底検査
8. 幼小児の抑制下の診察
9. 涙液・涙道検査
10. 麦粒腫・霰粒腫粒腫切開
11. 虹彩光凝固
12. 網膜光凝固
【身に着けてほしい能力】
患者と接する実習であることを充分に理解する.
【指導体制】
各眼科担当医による指導を行う.病棟患者を担当してもらい,外来患者も含めて,検査,診察や手術の介助,カルテの記載などをおこなう.
視力・視野検査などについては視能訓練士が指導をおこない,各担当医がチェックする.
【評価法】
1.出席状態
2.外来,病棟,手術場の実習態度
3.検査法,診察技術の修得度
4.総括での質疑応答
5.以上の点について,クリニカルクラークシップの評価表に準じて各担当医,教育主任,教授が評価を行う.
【その他】
1.参考図書は自由に閲覧,コピーしてよいが,医局外に持ち出さない.
2.流行性角結膜炎などの伝染性疾患が流行することがあるので,手洗い,ウエルパスによる消毒を励行する.
3.実習に際しては,常に患者さんから学ぶという態度を忘れずに,挨拶,言葉,態度,服装などに十分注意する.
4.実習期間中は,散瞳して互いに検査の被験者になることがあるので,コンタクトレンズ装用者は,眼鏡を装用するか,コンタクトレンズケースを持参する.
5.総括,講義担当者,時間が変更になることもあるので,講義担当者と連絡を密にするようにする.
【問い合わせ】
眼科医局(内線:3699)
教育主任 辻 拓也(PHS:11666)