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  • 【統括責任者】
    吉田 茂生

    【何を学ぶか】

     私達が外界から得る情報の約60%は眼・視覚系に依存していると言われてきたが、近年の情報化社会では90%以上依存しているとも考えられる。

    今あなたがこの文章を読んでいる時、眼・視覚系はどのように働いているでしょうか?

    眼球運動は主に滑動性運動で、文字を必死で追っている。注視しているときは輻湊している。近見のため、毛様体筋は緊張し、そのため毛様小帯は弛緩し、水晶体は厚くなっている。文字を読むときには、文字が網膜に投影されて、視細胞の主に錐体が興奮し、電気信号に変換される。その情報は網膜内の双極細胞などのシナプスで処理され、さらに神経節細胞に伝達される。その信号は視神経を通って外側膝状体に伝わり、そこから大脳皮質後頭葉の視覚野に到達する。その視覚信号がさらに大脳皮質で処理されて、意味ある文字として認識される。

    このように複雑な機能がからみあっているが、まず眼球は直径が約2cmの小さな器官で、その重量も約7gなので両眼合わせても全体重のわずか約0.025%を占めるに過ぎない。しかし、私たちは生まれてから死ぬまで見るという行為で眼球を酷使している。見えるという機能は、眼球の実に様々な機能がくみ合わさっており、この機能を維持するために眼球は精緻に作られた臓器と言える。このような重要な機能が充分に維持できるように、眼には特殊な解剖・生理・生化学的な機構がある。目はカメラによくたとえられるが、いかなるカメラも眼球を越えることはできない。そして眼球はその酷使に耐え、その機能を維持できるようなシステムを持っており、100年は持つように作られている。この精密器械に狂いが生じると眼球でのいろいろな病気を来すことになる。

    さらに我々の眼球は2個あり、両眼から情報が的確に入るように、常に両眼球で直視できる眼球運動系を持っている。

    そして眼で集められた情報は視覚伝導路を介して、視中枢に伝えられ、我々はその認識により、思考、判断などが可能となる。

    このように眼・視覚系に関して、眼球と視覚伝導路、そして眼球運動などの様々な機能が組み合わさって我々は「物が見える」ということができる。このように、どうして見えるか、それが障害された時の病態、診断、治療を学んで行く。

     


    【獲得すべき能力(全体)】

    眼・視覚系の構造と機能を理解し、眼・視覚系疾患の症候、病態、診断と治療を理解する。


    【獲得すべき能力(個別)】
    医学教育モデル・コア・カリキュラム 平成28年度改訂版
    D    人体各器官の正常構造と機能、病態、診断、治療 
    D-13    眼・視覚系
    診断と検査の基本
    D-13-2) ①基本的眼科検査(視力検査、視野検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、眼底検査)を列挙し、それらの原理と適応を述べ、主要所見を解釈できる。 
    症候
    <眼・視覚系に関する主要症候>
    D-13-3)-(1) ①眼・視覚系に関する主要症候(視力障害、視野異常、色覚異常、眼球運動障害、眼脂・眼の充血、飛蚊症、眼痛)を列挙し、それらの発生機序、原因疾患と治療を説明できる。
    <その他の症候>
    D-13-3)-(2) ①めまい ②頭痛・頭重感 ③悪心・嘔吐
    疾患
    <眼・視覚系の良性疾患>
    D-13-4)-(1) ①屈折異常(近視遠視乱視)と調節障害の病態生理を説明できる。
    D-13-4)-(1) ②感染性角結膜疾患の症候、診断と治療を説明できる。
    D-13-4)-(1) ③白内障の病因、症候、診断と治療を説明できる。
    D-13-4)-(1) ④緑内障の病因を列挙し、それらの発症機序、症候と治療を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑤裂孔原性網膜剥離の症候、診断と治療を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑥糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑦ぶどう膜炎の病因、症候、診断と治療を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑧視神経炎(症)・うっ血乳頭の病因、症候と診断を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑨アルカリ、酸による化学損傷の症候と救急処置を説明できる。
    D-13-4)-(1) ⑩網膜静脈閉塞症と動脈閉塞症の症候、診断と治療を説明できる。
    <腫瘍性疾患>
    D-13-4)-(2) ①網膜芽細胞腫の症候、診断と治療を説明できる。

    【身に着けてほしい能力】

     

    講座特論では主に各大学の教授を招き、眼科の専門分野での治療や研究について学ぶ。

    さらに眼科に興味ある人はアドバンストコースで、さらに最先端の眼科を学ぶ。

    【評価方法】

     

    (1)出席状態(5点)

    (2)授業中の態度(5点)

    (3)眼・視覚系の統合講義まとめの試験(90点)

     

     

    【課題(試験やレポート等)に対するフィードバック方法】

    試験問題について質問がある場合は、後日教育主任 嵩が対応します。

     

     

    【問い合わせ】

    眼科医局(内線3699)

    kurumeye@med.kurume-u.ac.jp

     

    【その他】

    講義資料は各講義担当者が原則持参する。

     

     

  • 5/31(月) 1限

     

     

     

    【単元】

    授業ガイダンス

    眼球と付属器の構造と機能

    先天異常

     

    【講義担当者】

    吉田 茂生


    【学習目標各論】

     

    1. 眼科学の歴史を知る

    2. 眼球と付属器の構造と機能を説明できる(解剖、発生)

    3. 先天異常疾患の症候、診断と治療を説明できる。


    【準備学習】

     

     標準眼科学

     第1章 眼の構造と機能

     第13章 視覚器の発生と先天異常

     

     

     

  • 5/31(月) 2限

     

     

     

     

     

     

    【単元】

    屈折矯正

    調節と加齢

     

    【講義担当者】

    門田 遊

     

    【学習目標各論】

     

    1. 屈折異常(近視遠視乱視)の病態生理を説明できる

    2. 調節障害の病態生理を説明できる

     

    【準備学習】

        標準眼科学

             第20章 視力

             第21章 屈折と調節の基本

             第22章 屈折・調節異常の治療

     

     

     

     

     

     

  • 5/31(月) 3限

     

    【単元】

     網膜電図

    視覚誘発電位

    色覚障害

     

    【講義担当者】

    門田 遊


    【学習目標各論】

     

    1. 視覚情報の受容のしくみと伝導路を説明できる(電気生理学的検査の基本を含む)

    2. 色覚障害を概説できる

     

    【準備学習】

       標準眼科学

           第2章 電気生理学的検査

           第23章 色覚

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/1(火) 1限

     

     

     

     

     

    【単元】

    身体診察と基本的眼科検査


    【講義担当者】
    嵩 翔太郎


    【学習目標各論】

    1. 身体診察(視野、瞳孔、眼球運動、結膜、眼底)について原理を述べ、主要所見を解釈できる。

    2. 基本的眼科検査(視力眼圧視野、細隙灯顕微鏡、眼底、その他)を列挙し、それらの原理と適応を述べ、主要所見を解釈できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第2章 眼疾患の問診 症状と検査の進め方

    第16章 神経眼科

    第17章 視野

    第20章 視力

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/1(火) 2限

     

     

     

     

     

     

     

    【単元】

    身体診察と基本的眼科検査


    【講義担当者】

    嵩 翔太郎


    【学習目標各論】

    1. 身体診察(視野、瞳孔、眼球運動、結膜、眼底)について原理を述べ、主要所見を解釈できる。

    2. 基本的眼科検査(視力眼圧視野、細隙灯顕微鏡、眼底、その他)を列挙し、それらの原理と適応を述べ、主要所見を解釈できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第2章 眼疾患の問診 症状と検査の進め方

    第16章 神経眼科

    第17章 視野

    第20章 視力

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/1(火) 3限

     

     

     

     

     

     

     

    【単元】

     ぶどう膜

     

    【講義担当者】

    實吉 安信

    【学習目標各論】

     

    1. ぶどう膜炎の原因、症候、診断と治療を説明できる

    2. 3大ぶどう膜炎、感染性ぶどう膜


    【準備学習】

    標準眼科学 第4章 ぶどう膜

     

    A.ぶどう膜の形態と機能

    B.ぶどう膜の先天性疾患

    C.ぶどう膜腫瘍性疾患

    D.ぶどう膜炎総論

    E.ぶどう膜炎各論

     

     

    1.ぶどう膜炎とは

    2.ぶどう膜炎の分類

     

    1)肉芽腫性、非肉芽腫性:

    肉芽腫性ぶどう膜炎;   サルコイドーシス、Vogt-小柳-原田病   

    非肉芽腫性ぶどう膜炎; ベーチェット病

    2)解剖学的分類:

      ・前部ぶどう膜

      ・中間部ぶどう膜

      ・後部ぶどう膜

      ・汎ぶどう膜

     3)外因性、内因性:

    内因性:非感染性 ①自己免疫疾患や膠原病に伴なうもの

     

                サルコイドーシス、ベーチェット病、Vogt-小柳-原田病

             ②悪性腫瘍

    外因性:感染性‐細菌、寄生虫など

     

     3.症状:飛蚊症 視力障害 霧視 眼痛 充血 流涙 羞明

     

    1. 内因性ぶどう膜

     

     

     3大ぶどう膜炎:1)ベーチェット病 2)サルコイドーシス 3) Vogt-小柳-原田病

    1)ベーチェット病

    ・ 主症状を(発病からすべての症状がそろうわけではない)繰り返しつつ、慢性の経過をとる全身性炎症疾患

     

     

     

    主症状

     ①口腔粘膜の再発性アフタ潰瘍

     ②皮膚症状:結節性紅斑、毛嚢炎様皮疹、血栓性静脈炎など  

     ③外陰部潰瘍

     ④眼症状:再発性のぶどう膜

    副症状 

     関節炎、副睾丸炎、消化器病変、血管病変、中枢神経病変

     

     

    ・ ぶどう膜炎: 両眼性・発作性・再発性・非肉芽腫性

     

     虹彩毛様体炎型(前眼部型)と網膜ぶどう膜炎型(後眼部型)に

     大別されるが合併することがしばしば   

     

    ・ 眼所見:   前房蓄膿、網脈絡膜炎

    ・ HLA-B51陽性が多い

    ・ 治療:

       -眼炎症発作を抑制:

     

      コルヒチン、免疫抑制薬、

      抗ヒトTNF-α抗体治療(インフリキシマブ)

     

     -眼炎症発作時:副腎皮質ステロイド薬の局所投与(副腎皮質ステロイド薬の全身投与は禁忌!局所投与はOK!

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/1(火) 4限

     

     

     

     

     

    【単元】

     ぶどう膜

    【講義担当者】
    實吉 安信

    【学習目標各論】

    1. ぶどう膜炎の原因、症候、診断と治療を説明できる

    2. 3大ぶどう膜炎、感染性ぶどう膜

     

    【準備学習】

     

     

     

    標準眼科学 第4章 ぶどう膜

     

     

    ぶどう膜炎をきたす疾患
    1. 内因性ぶどう膜

     

     

     3大ぶどう膜炎:1)ベーチェット病 2)サルコイドーシス 3) Vogt-小柳-原田病

     

     

     

     2)サルコイドーシス

    ・両眼性、肉芽腫性ぶどう膜

     

    ・眼所見:虹彩毛様体炎、豚脂様角膜後面沈着物虹彩結節、テント状周辺虹彩前癒着、隅角結節、雪玉状、数珠状硝子体混濁、網膜静脈周囲炎

     

    ・胸部X線:両側肺門部リンパ節腫脹(BHL)

    ・検査所見:血清ACE・リゾチーム高値、血清可溶性インターロイキン-2受容体(sIL-2R)高値、気管支肺胞洗浄液のリンパ球の増加(CD4/8の上昇)

     

    ・組織診断(非乾酪性類上皮細胞肉芽腫):経気管支肺生検などによる

    ・治療:副腎皮質ステロイド薬の局所、全身投与

     

     3)Vogt-小柳-原田病

     

    ・メラニン細胞に対する自己免疫機序

    ・両眼性、肉芽腫性ぶどう膜

    ・眼所見:虹彩毛様体炎、漿液性網膜剥離、回復期に夕焼け状眼底

    ・眼外所見:髄液細胞増多、感音性難聴、回復期に皮膚白斑、白髪

    ・HLA-DR4陽性が多い

    ・治療:副腎皮質ステロイド薬の大量漸減投与、(再発・遷延)免疫抑制薬

     

     

     4)交感性眼炎 

    ・メラニン細胞に対する自己免疫機序

     

    ・  臨床的には原田病と同様だが、穿孔性外傷や内眼手術時に引き続いておこる

     5)急性前部ぶどう膜

    ・  若年男性、片眼性

    ・  前房蓄膿を伴うことがある

    ・  HLA-B27陽性 

    ・  強直性脊椎炎の合併

     

     

     2. 感染性ぶどう膜

     

    1)ヘルペス性ぶどう膜

    2)急性網膜壊死

    3)サイトメガロウイルス網膜

    4)ヒトTリンパ球向性ウイルスI型(HTLV-I)関連ぶどう膜

    5)結核性ぶどう膜

    6)梅毒性ぶどう膜

    7)眼トキソプラズマ症

    8)真菌性眼内炎 

    3. 仮面症候群 
    眼・中枢神経系悪性リンパ腫

     眼内悪性リンパ腫(原発眼内悪性リンパ腫)

     

     

    ・眼および中枢神経を侵す悪性リンパ腫のうち、眼内原発のもの

    ・原因不明の慢性ぶどう膜炎として治療されていることが多い(仮面症候群)

     

     

    ・生命予後不良:中枢神経病変を合併しやすい

     

     

     

     

  • 6/2(水) 1限

     

     

     

     

     

     

    【単元】

    網膜血管障害


    【講義担当者】

    吉田 茂生

    【学習目標各論】

    1. 糖尿病、高血圧、動脈硬化による眼底変化が説明できる。

    2. 糖尿病網膜症の症候、診断と治療を説明できる。

    3. 網膜静脈閉塞症と網膜動脈閉塞症の症候、診断と治療を説明できる。


    【準備学習】
    標準眼科学

    第8章 網膜

    第14章 全身疾患と眼

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/2(水) 2限

     

     

     

     

     

     

    【単元】

    網膜血管障害


    【講義担当者】

    吉田 茂生

    【学習目標各論】

    1. 糖尿病、高血圧、動脈硬化による眼底変化が説明できる。

    2. 糖尿病網膜症の症候、診断と治療を説明できる。

    3. 網膜静脈閉塞症と網膜動脈閉塞症の症候、診断と治療を説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第8章 網膜

    第14章 全身疾患と眼

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/2(水) 3限

     

     

     

     

     

     

    【単元】

    網膜変性疾患

    眼内腫瘍

    網膜芽細胞腫

     

    【講義担当者】

    岩田 健作

    【学習目標各論】

    1. 網膜検査の概要を説明できる。

    2. 網膜変性疾患の病態、検査、診断、治療を説明できる。

    3. 眼内腫瘍の病態、検査、診断、治療を説明できる。

     

     <主な疾患>

     網膜色素変性、未熟児網膜症、脈絡膜腫瘍、網膜芽細胞腫


    【準備学習】

    標準眼科学

     

    第8章 網膜 各論:主な網膜疾患 E 網膜色素変性と類縁疾患

     

    第12章 腫瘍

     

     

     

     

     

     

  • 6/2(水) 4限

     

     

     

     

    【単元】

    網膜変性疾患

    眼内腫瘍

    網膜芽細胞腫

    【講義担当者】

    岩田 健作

    【学習目標各論】

    1. 網膜検査の概要を説明できる。

    2. 網膜変性疾患の病態、検査、診断、治療を説明できる。

    3. 眼内腫瘍の病態、検査、診断、治療を説明できる。

     

     <主な疾患>

     網膜色素変性、未熟児網膜症、変性近視、脈絡膜腫瘍、網膜芽細胞腫


    【準備学習】

    標準眼科学

     

     

    第8章 網膜 各論:主な網膜疾患 E 網膜色素変性と類縁疾患

     

    第12章 腫瘍

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/3(木) 1限

     

     

     

     

     

    【単元】
    黄斑疾患
    網膜剥離

    【講義担当者】
    春田 雅俊

    【学習目標各論】

    1. 網膜剥離を説明できる。

    2. 裂孔原性網膜剥離の症候、診断と治療を説明できる。

    3. 続発性緑内障の症候、診断と治療が説明できる。

    【準備学習】

    1. 標準眼科学 第4章 ぶどう膜 

    2. 標準眼科学 第7章 硝子体

    3. 標準眼科学 第8章 網膜

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/3(木) 2限

     

     

     

     

     

     

    【単元】
    黄斑疾患
    網膜剥離

    【講義担当者】
    春田 雅俊

    【学習目標各論】

    1. 網膜剥離を説明できる。

    2. 裂孔原性網膜剥離の症候、診断と治療を説明できる。

    3. 続発性緑内障の症候、診断と治療が説明できる。

    【準備学習】

    1. 標準眼科学 第4章 ぶどう膜 

    2. 標準眼科学 第7章 硝子体

    3. 標準眼科学 第8章 網膜

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/3(木) 3限

     

     

     

     

     

     

     

     

    【単元】

     眼球運動

    【講義担当者】
    岩田 健作

    【学習目標各論】

    眼球運動、眼球運動検査について説明ができる
    【準備学習】

     

    標準眼科学 第18章 眼球運動と両眼視機能

     

     

     

     

     

     

  • 6/3(木) 4限

     

     

    【単元】

    眼球付属器、眼窩疾患、眼外傷


    【講義担当者】
    岩田 健作

    【学習目標各論】

    1.眼球付属器(眼瞼、涙器)の疾患の成因、診断、治療を説明できる。

    2.眼窩疾患の成因、症候と診断を説明できる。

    3.眼外傷の成因と診断を説明できる。


    【準備学習】
    標準眼科学

    第10章 眼瞼、結膜、涙器

    第11章 眼窩

    第12章 腫瘍

     

    第15章 眼外傷と眼科救急・プライマリケア

     

     

     

     

  • 6/4(金) 3限

     

     

     

     

     

    【単元】

     斜視・弱視・複視 1

     

    【講義担当者】
    阿久根 穂高

    【学習目標各論】
    1)斜視、弱視の成因、診断、治療を説明できる。
    2)複視の成因、診断、治療を説明できる。

    【準備学習】
    弱視について
    弱視の定義:屈折矯正をしても十分な視力が得られず、眼底視力障害に相当する器質的疾患を認めないもの(=視力が育っていない)
    現在、「弱視」は2つの意味で用いられる。
      *医学的弱視
      *社会的弱視
    視力とは、視覚感受性期間とは、適切な視覚刺激とは 
    弱視の種類・原因

    ①  形態覚刺激遮断弱視:視力の発育過程において、明視の刺激が抑えられた状態
    ②  屈折弱視: 両眼に強い遠視乱視(+)
    ③  不同視弱視: 片眼だけ高度な屈折異常(+)
    ④  斜視弱視:内側にずれている眼は使わない為(内斜視) 

    弱視の症状・診断
    症状:テレビを前で見る、眼を細める、見にくそう。片眼の場合は発見しにくい。  *早期発見・早期治療が大切! 

    診断:
    1)視力検査:弱視の存在・程度を診る
    2)固視の確認:中心窩固視の有無

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/4(金) 4限

     

     

     

     

     

    【単元】
    斜視・弱視・複視 2

    【講義担当者】
    阿久根 穂高


    【学習目標各論】

     

    1. 斜視、弱視の成因、診断、治療を説明できる。

    2. 複視の成因、診断、治療を説明できる。

    【準備学習】
    斜視について
    総論  

    斜視の定義: 両眼の視線が一点に合わない状態 (眼位ずれをひとつの兆候とした症候群) 
    斜視の分類と種類

    偏位の方向による: 内斜視 外斜視 上下斜視  回旋斜視

    外眼筋麻痺の有無による:外眼筋麻痺無し→ 共同性斜視、

    外眼筋麻痺有り→   麻痺性斜視(眼筋麻痺)

    発現頻度による:恒常性、 間歇性斜視

    発症時期による:先天性斜視、後天性斜視

    斜視の原因

    1.原因不明: 眼筋自身の異常・付着部異常(筋力)

               外眼筋の支配神経のアンバランス 

               両眼視機能異常でも斜視になる

    2.遠視:ある程度以上の遠視を調節するとそれに伴う輻輳のため内斜視となる(調節性内斜視)

    3.視力不良:両眼視するにはある程度の視力が必要で、視力不良の眼がずれる(廃用性外斜視)

    4.眼筋麻痺:主な原因として、頭蓋内疾患・外傷・全身疾患→「各論」で説明

    斜視の診断

    1)問診:発症時期、発現頻度、眼位(斜視角)の変動、複視の有無、

    2)視力検査・対光反応:弱視の有無      

    3)固視の確認                    

    4)眼位検査:眼の位置を診る

    5)斜視角の測定:斜視の角度を測る

    6)眼球運動

    7)精密屈折検査

    8)眼底検査::両眼視にはある程度の視力が必要(眼底疾患などで視力低下⇒廃用性外斜視)

    9)両眼視機能検査

    →1) 複視とは、「外界の映像が左右眼の網膜の対応点に一致せずに、ずれているために物が二重に見える状態」

       =固視している一つの物が二つに見える状態

    単眼複視 片眼遮蔽しても複視が残存( 原因:乱視白内障等)     

    両眼複視 両眼だと複視を自覚し、片眼遮蔽で複視消失

     *突然の両眼複視⇒ 神経麻痺の重要なサインのひとつであるので、「脳精査の必要性」を念頭に!

       ・両眼複視の有無は、眼球運動でも確認する。

      眼球運動が一見正常に見えても、ある方向で複視増大+その反対側で複視の軽減があれば麻痺の可能性あり。(ある方向=患眼の麻痺筋の作用方向)     

    →4)眼位と5)斜視角(程度)の検査
    Hirschberg法(°):斜視眼の角膜反射位置で判定

    プリズムによる検査(△):(換算 1°=1.77△)

    大型弱視鏡検査(シノプトフォア)

    →6)眼球運動:相対している筋力のバランスが崩れると強い筋の作用方向に眼球は引かれる 

    左眼)外転(Ⅵ)神経麻痺の症例

    左眼)動眼(Ⅲ)神経麻痺の症例

    *眼性斜頚: 眼のずれの程度が見る方向で異なる場合、眼のずれが無い方向が正面になる頭位異常をとる。

     原因疾患:麻痺性の上下斜視(先天性上斜筋麻痺など)

     整形外科的な斜頸との鑑別法:両眼で見ると顔が傾くが、片眼遮蔽にて斜頚がなくなる。

     通常と逆の頭位にすると眼のずれが増大する       

    右眼)先天性上斜筋麻痺の症例

    →9)両眼視機能検査

      両眼視とは、両眼を一つのまとまりとして使用することによって得られる視覚

    ①  同時視:異質像を同時に見る能力

    ②  融像:左右の網膜像を統一する能力

    ③  立体視:三次元(立体)の視的認識

    斜視の治療

    目的:眼位をそろえて両眼で見させることで、両眼視機能の獲得・向上

    1) 屈折矯正(眼鏡装用)

     ・調節性内斜視は遠視の眼鏡装用。

     ・弱視・屈折異常があれば、それを治療し視力向上することで斜視が出にくくなる。(手術前に行う)

    2)光学的治療:プリズム眼鏡(プリズムで眼位をそろえる)  

    3) 手術:手術にて眼位をそろえる

    前転術・切除短縮術:筋を短くして強化

    後転術:筋を後方移動して弛ませ弱化 

    4) ボツリヌス毒素注射療法:

    各論 

    1)乳児内斜視(先天性)

     ・原因不明、 ・生後6ヶ月以内に発症

     ・両眼視機能不良が多い

     ・内斜眼が弱視になりやすい

     ・治療:弱視(+)なら、まず弱視治療(屈折矯正+遮蔽)

     手術(内直筋後転術 外直筋前転術)  

    2)調節性内斜視(国試に頻出、特に写真)

     ・原因は遠視:ある程度以上の遠視(+2D~+8D)を調節するとそれに伴う輻輳のため内斜となる

     ・1~3歳の発症が多い

     ・屈折検査時必ず調節麻痺剤点眼を両眼にする

     ・治療:眼鏡による遠視の矯正(手術適応なし)

    3)間歇性外斜視

     ・原因不明

     ・時々目が外を向く、    ・視力・両眼視機能良好が多い

     ・治療:程度により手術(内直筋前転術 外直筋後転術)

    4)恒常性外斜視

     ・原因不明

     ・常に眼が外を向いている、 ・両眼視機能不良が多い

     ・治療:手術 (内直筋前転術 外直筋後転術)

    5)麻痺性斜視

     ・眼筋麻痺とも言い、眼球運動不良を伴う。原因疾患により、神経麻痺性・筋原性等が存在。

     ・頭位異常 :眼のずれの程度が見る方向で異なるので、眼のずれが無い方向が正面になる頭位異常をとる

    眼筋麻痺   

     先天性(殆ど複視は訴えない):先天性上斜筋麻痺、斜視特殊型

     後天性(突然の複視を自覚)⇒脳精査が必要(画像検査) ex動眼神経麻痺は要注意。

    検査:頭位・眼位検査、眼球運動検査、

     眼筋機能検査、画像診断、眼筋電図、

     血液検査(甲状腺機能・自己抗体、血糖値など)

    治療

     ・まず原因検索し、原因に対する治療施行(担当科にて)

     ・神経麻痺の場合、自然治癒も多いので、まずは経過観察 

     ・経過観察中に、複視に対してプリズム眼鏡装用・ボツリヌス毒素注射療法

     ・6ヶ月以上の経過後に複視が残存すれば手術治療   

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/7(月) 3限

     

     

     

    【単元】

     アデノウイルス

    角膜上皮

    角膜内皮、角膜移植、アイバンク

     

     

    【講義担当者】
    門田 遊
     

    【学習目標各論】

    ・伝染性結膜疾患の症候、診断と治療を説明できる。

    ・結膜、角膜疾患の成因、症候、診断と治療を説明できる。

    ・化学外傷(アルカリ、酸)の症候と救急処置を説明できる。

    角膜移植とアイバンクを説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第1章 付属器の構造と機能

    第2章 眼疾患の所見と症状

    第10章 結膜

    第3章 角膜

    第15章 眼の外傷・眼科と救急疾患

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/7(月) 4限

     

     

     

     

     

     

     

    【単元】

     

    アデノウイルス

    角膜上皮

    角膜内皮、角膜移植、アイバンク

     

     

    【講義担当者】
    門田 遊
     

     

    【学習目標各論】

    ・伝染性結膜疾患の症候、診断と治療を説明できる。

    ・結膜、角膜疾患の成因、症候、診断と治療を説明できる。

    ・化学外傷(アルカリ、酸)の症候と救急処置を説明できる。

    角膜移植とアイバンクを説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第1章 付属器の構造と機能

    第2章 眼疾患の所見と症状

    第10章 結膜

    第3章 角膜

    第15章 眼の外傷・眼科と救急疾患

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/8(火) 3限

     

     

    【単元】

    緑内障

    【講義担当者】
    辻 拓也

    【学習目標各論】

    1. 緑内障の定義、疫学について理解し説明できる。

    2. 房水循環、眼圧、隅角の構造や検査、眼底所見について理解し説明できる。

    3. 緑内障性視神経症、視野検査について理解し説明できる。


    【準備学習】
    標準眼科学

    第6章 緑内障

    第17章 視野

     

     

    緒言:

    緑内障は我が国における失明原因の常に上位を占め、社会的にも重要な疾患である。2000-2002年に行われた詳細な疫学調査(多治見スタディ)では、40歳以上の有病率は約5%であった。さらに同疫学調査において新規発見率は89%であったことから、わが国では、未だ治療を受けていない患者が多数潜在していることが明らかになった。

     

    定義:

    緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である。

    (緑内障診療ガイドライン 第3版)

     

    緑内障に関連する眼の構造と機能:

    ①房水 ②隅角 ③線維柱帯 ④毛様体 ⑤視神経乳頭

    これらの解剖学的位置、構造、機能を理解する。

     

    緑内障の診断に必要な検査:

    眼圧測定 ②眼圧日内変動検査 ③隅角検査 ④視野検査 ⑤眼底検査 

    ⑥超音波生体顕微鏡検査(UBM) ⑦光干渉断層計(OCT) ⑦遺伝歴などの問診

    これらの検査方法および検査結果の意味を理解する。

     

    緑内障性視神経症:

    視神経障害の機序、視神経乳頭および網膜神経線維層の変化、前視野緑内障について理解する。

     


     

     

     

     

     

     

     

  • 6/8(火) 4限

     

     

     

     

     

     

     

     

    【単元】
    緑内障

    【講義担当者】

    辻 拓也

    【学習目標各論】

    1. 緑内障の病型について理解し説明できる。

    2. 緑内障の治療方法(薬物治療、レーザー治療、手術治療など)について理解し説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第6章 緑内障

    第17章 視野

     

     

    緑内障の分類および関連病態の診断基準:

    Ⅰ原発緑内障:

    1.原発開放隅角緑内障(広義):

    1)原発開放隅角緑内障

    原発開放隅角緑内障(広義)のうち、緑内障性視神経症の発生進行過程において、眼圧が統計学的に規定された正常値を超えており、眼圧の異常な上昇が視神経症の発症に関与していることが強く疑われるサブタイプ。

     2)正常眼圧緑内障

    原発開放隅角緑内障(広義)のうち、緑内障性視神経症の発生進行過程において、眼圧が常に統計学的に規定された正常値に留まるサブタイプ。

     

    眼圧

    開放隅角で他の眼圧上昇を来す要因がなく、眼圧が統計学的に定められた正常上限を超えていながら、視神経や網膜神経線維層、視野に異常のないもの。

      

    2.原発閉塞隅角緑内障

    他の要因なく、遺伝的背景、加齢による前眼部形態の変化などで惹起される隅角閉塞により眼圧上昇を来し、緑内障性視神経症を生じうる疾患。

     

    1)隅角構造と緑内障性視神経症の有無による分類

    ①原発閉塞隅角症疑い(primary angle closure suspect:PACS)

    原発性の隅角閉塞があり、眼圧上昇も、器質的な周辺虹彩前癒着も緑内障性視神経症も生じていない症例。

    ②原発閉塞隅角症(primary angle closure:PAC)

    原発性の隅角閉塞があり、眼圧上昇または器質的な周辺虹彩前癒着を生じているが緑内障性視神経症は生じていない症例。

    原発閉塞隅角緑内障(primary angle closure glaucomaPACG)

    原発性閉塞隅角があり緑内障性視神経症を生じた症例。

     

    2)隅角閉塞機序による分類

    相対的瞳孔ブロック、プラトー虹彩水晶体因子など

     

    3)発症速度による分類(急性/慢性)

     

    続発緑内障

    他の眼疾患、眼科手術、外傷、全身疾患あるいは薬物使用が原因となって眼圧上昇が生じる緑内障。

     

    Ⅲ発達緑内障:

    隅角形成異常に起因する緑内障

    1.    早発型発達緑内障(原発先天緑内障)

    2.    遅発型発達緑内障

    3.    他の先天異常を伴う発達緑内障

     

    これらの発症機序、症候、治療(薬物・手術)を理解する。

     

    緑内障治療薬:

    ①プロスタグランジン関連薬 ②交感神経遮断薬 ③炭酸脱水酵素阻害薬 ④副交感神経刺激薬 ⑤交感神経刺激薬 ⑥ROCK阻害薬 ⑦高張浸透圧薬 ⑧配合点眼薬

    これらの作用機序、副作用を理解する。

     

    緑内障の手術療法:

    ①レーザー虹彩切開術 ②レーザー線維柱帯形成術 ③毛様体破壊術(冷凍凝固、レーザー凝固) ④線維柱帯切除術 ⑤線維柱帯切開術 ⑥隅角癒着解離術 ⑦白内障手術 ⑧チューブシャント手術

    これらの手術療法および病型による手術適応を理解する。

     

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/9(水) 3限

     

     

     

     

    【単元】
    視神経疾患

    【講義担当者】
    大島 寛之

    【学習目標各論】

    1. 視神経の検査の概要を説明できる。

    2. 視神経・うっ血乳頭の所見の説明ができる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第9章 視神経

    第16章 神経眼科

     

     

     

     

     

     

  • 6/9(水) 4限

     

     

     

     

    【単元】
    視神経疾患

    【講義担当者】
    大島 寛之

    【学習目標各論】

    1. 視神経の検査の概要を説明できる。

    2. 視神経・うっ血乳頭の所見の説明ができる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第9章 視神経

    第16章 神経眼科

     

     

     

     

     

  • 6/10(木) 3限

     

     

     

     

     

     

    【単元】

     白内障

    【講義担当者】
    坂井 貴三彦

    【学習目標各論】

    水晶体の構造、発生、構成成分、生理代謝について理解する。

    水晶体疾患の成因、症候、診断と治療を説明できる。

    白内障の成因、症候、診断と治療を説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第5章 水晶体

     

     

     

     

     

     

     

  • 6/10(木) 4限

     

     

     

     

    【単元】

     白内障

    【講義担当者】
    坂井 貴三彦

    【学習目標各論】

    水晶体の構造、発生、構成成分、生理代謝について理解する。

    水晶体疾患の成因、症候、診断と治療を説明できる。

    白内障の成因、症候、診断と治療を説明できる。


    【準備学習】

    標準眼科学

    第5章 水晶体

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