9月27日にOphthalmic Expert Meeting in KURUMEをハイブリット方式で開催しました。
特別講演①では北里大学 医療衛生学部 視覚機能療法学専攻 教授の石川均先生より「研修医
・視能訓練士のための視神経炎ー必要な検査・診断から最新治療までー」というタイトルで
ご講演を頂きました。
視神経炎の検査・診断として視力、RAPD(相対的瞳孔求心路障害)が重要であり、自覚症状は痛みや中心暗点を自覚することが多いとご教授いただきました。
また視神経炎の特徴としてOCTは発症初期ではGCCの菲薄化はないことが多く時間経過とともに菲薄化してくると述べられていました。視能訓練士として検査をしていく際に検査の補助となる非常に参考となるお話でした。また診断においてはアクアポリン抗体と年齢が視力予後に関与すると述べられていました。
特別講演②では近畿大学医学部 眼科 客員教授の松本長太先生より「新しい眼科検査法の開
発:M-CHARTSと他の検査技術の開発秘話」というタイトルでご講演頂きました。
まず歪視の機序について、黄斑円孔では円孔の穴の周りに視細胞が広がってしまい内側に
歪んで見えたり、加齢黄斑変性症の場合は脈絡膜側から視細胞が圧迫されるため変視症を
自覚すると述べられていました。また歪みの原理は副尺視力という周波数で感じていて、歪みを感じるには直線成分が必要であることからM-CHARTSが誕生したとのことでした。
また、緑内障の視野異常、特に下方からの異常は自覚しにくい為なんとか早期発見のため
にクロックチャートが誕生したと述べられていました。クロックチャートの4つの指標の理由は、人間は視野の中では同時に認識できる点は4つが限界であることからクロックチャートの検査点は4つなのだとご教授いただきました。
日常的に多用している検査機器は、日々の臨床の疑問点や気づきから生まれてくるもので
あるため常に向上心を持って仕事に取り組むことが重要であると思いました。
今回お二人の先生のご講演を聞かせていただき視能訓練士として日常業務の中で必要な知
識、必要な心構えなど現状に満足せず向上心を持って業務に取り組むことが重要だと思い
ました。視能訓練士でも非常にわかりやすく貴重なご講演をいただき本当にありがとうございました。
(文責 伊東淳一)
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