11月8日に11回目となる Retina Today in KurumeをWebで行いました。今回は東京女子医科大学の丸子一朗先生と自治医科大学の蕪城俊克先生にご講演頂きました。
近年加齢黄斑変性の新しい病態理解がすすんでいます。丸子先生には「nAMD診療〜新ガイドラインを含めて〜」のタイトルでお話頂きました。先生は特に〝滲出型”から〝新生血管型”加齢黄斑変性へ病態の理解を変化させ、パキコロイドの概念とも合わせつつ診療フローチャートの作成への昇華を示されました。そこから更に近年保険適応となったアフリベルセプト8mgの硝子体投与の有用性を示されました。これからの診療の変革として大変希望の持てるお話でした。

引き続いて蕪城先生に「ぶどう膜炎診療の最新の話題」のタイトルでご講演頂きました。ぶどう膜炎の原因は多岐に渡るため本邦でも診断のため前房水PCRは盛んに行われてきました。その中でDNA抽出不要のPCR検査が保険収載へ進んでいることや、前房水から遺伝子変異を特定できることなど検査からぶどう膜炎が進化していることを示されました。

また治療においても原田病はステロイドパルス療法が標準治療とされてきましたが、シクロスポリンとプレドニゾロン内服の併用が上記療法と同等の効果を得ることなど、目から鱗の話が盛りだくさんの内容でした。
またCOVID-19 ワクチンや免疫チェックポイント阻害薬による薬剤性ぶどう膜炎の報告がされていることはポストコロナ時代を担う私たちにとって大変貴重な講演でした。
丸子先生、蕪城先生、お忙しい所、明日からの診断治療に直接役立つご講演を頂き、本当にありがとうございました。先生方の知見を生かした診療を心がけ、真摯に日々患者様に向き合い、よりよい眼科を目指したいと思います!
(文責 藤堂佑一)

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