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第97回筑後眼科研究会(7/12開催)のご報告

更新日:12 分前

2025年7月12日、第97回筑後眼科研究会を開催いたしました。

特別講演Ⅰでは、久留米大学医学部 形成外科・顎顔面外科学講座 主任教授の力丸英明先生をお招きし、「眼瞼とその周囲の手術:機能的再建から整容的改善まで」と題してご講演い

ただきました。

ご講演では、先天性眼瞼下垂および後天性眼瞼下垂、さらに睫毛内反症について、形成外科の視点から詳しくご解説いただきました。眼瞼下垂は眼科でも日常的に遭遇する疾患のひとつですが、形成外科医と眼科医では診療の視点に違いがあり、大変興味深い内容でした。特に、術前後の眼瞼圧変化に伴う角膜形状の変化、相対的な涙液の減少、瞬目時の摩擦亢進といったオキュラーサーフェスの変化についてのご指摘は、眼科診療における術後管理に大いに役立つ有意義な知見でした。

続く特別講演Ⅱでは、金沢大学 医薬保健研究域医学系 眼科学 教授の東出朋巳先生より、「緑内障と網膜硝子体の境界症例の治療アップデート」と題してご講演いただきました。

緑内障眼におけるERM(黄斑前膜)手術に関しては、術後の視力・視野悪化を防ぐための重要なチェックポイントについてご教示いただきました。具体的には、術前に緑内障の有無を慎重に評価すること、進行例では視力低下リスクを考慮して手術適応を慎重に判断すること、ILM(内境界膜)を含めた膜剥離は開始部位など熟慮し丁寧に行うこと、そして術後は眼圧や視力のみならず中心視野の経過を継続的にモニタリングする重要性を強調されました。また、血管新生緑内障(NVG)については、視機能、病期、DR,RVO,OISなど原因疾患の系統的検索の重要性が述べられました。特に、高度視機能障害を伴う高眼圧症例に対しては、補助的な抗VEGF療法(IVA)チューブシャント手術や経毛様体光凝固術(MPCPC)なども含め、あらゆる治療手段を速やかに適用することの必要性が示され、日常診療に直結する極めて実践的な内容でした。

今回の研究会も非常に実り多く、有意義な時間となりました。今後も久留米大学眼科では、このような学術集会を通じて最新の知見を積極的に取り入れ、日々の診療をアップデートしてまいります。

(文責 橋本佳典)



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