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執筆者の写真久留米大学医学部眼科学教室

第7回あざれあ病診連携研究会 (8/2:Web開催)のご報告

更新日:10月1日

8月2日に第7 回あざれあ病診連携研究会をWeb開催しました。

まず、一般講演では、佐々木研輔外来医長より久留米大学眼科の各専門外来と診療受付の詳細、坂井貴三彦病棟医長より当院での入院治療についてご案内しました。

続いて久留米大学眼科同門のつじ眼科の辻拓也先生より「地域医療連携システム[アザレアネット]を介した眼科システム[NAVIS]間での病診連携~緑内障診療編~」のタイトルでご講演をいただきました。 

実際の緑内障患者さんの症例をご提示いただき、アザレアネットを用いた効果的な病病連携の在り方についてご提案いただきました。緑内障診療において重要な眼圧・視野・網膜光干渉断層計などのデータを共有できるので、大学と地域の医療機関の双方で、スムーズな診療が可能となり、今後益々有用になっていくであろうことを示されました。

 

続いて特別講演では、弘前大学大学院医学研究科眼科教授の上野真治先生より「網膜変性疾患の診断のポイント」のタイトルでご講演頂きました。 

上野先生はまず網膜色素変性症の問診の取り方、画像所見の見方、そして診断など大変わかりやすく述べられました。特に家族歴の問診をしっかりチェックすること、遺伝性疾患が疑われた場合、症状がなくても母親の眼底をチェックすることの大切さを述べられていました。画像所見においては、網膜光干渉断層計や眼底自発蛍光の有用性を再確認させていただきました。また治療に関しては、RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーに対する遺伝子治療用ベクター「ルクスターナ(R)注」(一般名:ボレチゲン ネパルボベク)についてのご説明を頂きました。 

さらに全身性エリテマトーデスの治療薬であるプラケニルによる網膜症の解説もご講演頂きました。発見が遅れると服薬中止後も網膜障害が進行してしまう可能性があり早期発見の大切さを述べられていました。また具体的な症例を用いた経過のお話や注意すべき症例(リスクの高い症例)や有用な検査方法(視野検査、網膜光干渉断層計など)の解説をして頂き大変勉強になりました。

 

今回も大変有意義な研究会となりました。上野先生、遠路はるばるお越し頂き、貴重なご講演、本当にありがとうございました。久留米大学眼科も引き続き積極的に地域連携はもちろん、先輩方とも連携しながらよりよい地域医療のあり方を探求していきたいと思います。

また、先端知識をアップデートしながらよりよい医療を提供できるよう尽力していきたいと思います。

(文責 坂井貴三彦)




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