3月11日に第22回有明眼科懇話会をWebなしの対面形式で行いました。
一般講演では佐賀大学と久留米大学眼科の若手医師とメディカルスタッフが、抗凝固薬投与に伴い硝子体手術に工夫を要した症例、癌分子標的治療によりぶどう膜炎を生じた症例、糖尿病黄斑浮腫で生じるterangiectatic capillarisを標的とした低侵襲治療の試みなどについて発表を行いました。両大学の医局員からの質疑応答も白熱し、大変盛り上がりました。
引き続いて、特別講演は徳島大学眼科の三田村佳典教授に「OCTにおける脈絡膜所見」のタイトルでご講演頂きました。
三田村先生は脈絡膜の日内変動を勘案しながら、2値化などの手法を駆使して脈絡膜間質と管腔に区別・着目して中心性漿液性網脈絡膜症や加齢黄斑変性の発症予測・診断や治療の評価を実践されているお話しを頂きました。非常に聴きごたえのある盛りだくさんの内容で、圧巻のご講演でした。
次に東京医科歯科大学の大野京子教授に「病的近視の眼底病変」のタイトルでご講演頂きました。
大野先生は東京医科歯科大学眼科にご入局以来一貫して近視研究に携わられてきた先生です。その功績が認められ、昨年世界の超一流の網膜専門医のみの加入が許されるMacula Societyにおいて日本人ではじめてThe J. Donald Gass Medalを受賞されました。The J. Donald Gass Medalは、黄斑疾患を初めて報告した眼科医であるJohn Donald MacIntyre Gass氏の名前を冠した賞であり、黄斑疾患に対する顕著な業績をあげた世界で1名に対し授与されるものです。
病的近視に伴う網膜脈絡膜萎縮、黄斑部出血、近視性牽引黄斑症の診断法を多くの写真をお示し頂きながら大変わかりやすくお示し頂きました。その上で、超広角OCTを用いた硝子体牽引やぶどう腫の解析の詳細や近未来のAI自動診断の可能性について述べられました。さらに病的近視に合併しやすい緑内障への注意を喚起されました。The J. Donald Gass Medalを受賞された先生にふさわしい先生の長年の歩みを感じさせるご講演でした。
3年ぶりの対面形式で、参加された先生からも質問が続出し、対面での討論の良さを久しぶりに堪能することができました。
三田村先生、大野先生、今回も大変勉強になるご講演、ありがとうございました! マスク義務も解除され、コロナ禍の終わりを感じさせる明るい雰囲気となってきました。一般講演を含めて、お蔭様で大変よい研究会となりました。今後も有明眼科懇話会を発展させ、医療人としての生涯学習を続けながら、有明地区の眼科医療のレベルアップに取り組んでいきたいと思います!
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