加藤先生の論文がInvestigative Ophthalmology & Visual Scienceにpublishされました。
今回の研究では、はじめに培養検査による結膜常在細菌の割合を調査しました。その結果、Corynebacterium macginleyiが結膜より最多の割合で検出されました。C. macginleyiは、結膜より頻繁に検出される細菌ですが、最多の割合で検出されることは珍しいです。
そこで、その原因調査を行ったところ、術前の患者の正常結膜から分離されたC. macginleyiの約91%がフルオロキノロン耐性だと判明しました。我々は、さらにフルオロキノロン耐性につながるメカニズムを解明するため、フルオロキノロン耐性に関与する遺伝子変異のホットスポットを明らかにしました。
本研究で、抗菌薬の乱用は結膜常在細菌叢の変化につながる恐れがあることが示されました。今回の結果を受け、当科では、抗菌薬の取り扱いについて再検討を行い、限りある医療資源を効果的に使用できるよう努めていきたいと思います。
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